日本特殊陶業は1日、デンソーから自動車プラグ事業を買収することで合意したと正式発表した。2026年3月31日を基準日とした事業譲受価格は1806億円と算定し、実際の買収額は譲渡実行日までの日数に応じて減額する。日特はデンソーの事業を収めることで自動車プラグの世界シェアは6割になるもようだ。
買収するのはエンジンに点火するのに使う「スパークプラグ」事業と排ガス中の酸素などを検出する「排ガス用センサー」事業の2つ。国内外の開発や製造、販売分野を対象とし、子会社の従業員や建物は対象外とする。各国の競争法上における承認を条件としているため買収日は未定。
両社は23年7月、事業の譲渡に向けて2社間の協議をすることで基本合意した。今回の合意で正式に各国当局に審査を申請する。承認内容によって、譲渡できる事業の範囲や手続きの完了時期が定まる。
日特はプラグ事業を中心に、既存のガソリン車による中古需要の取り込みを急ぐ。アフターマーケット向けで中長期的に需要が見込まれており、電気自動車(EV)など新分野への投資を進める基盤となる安定した収益を確保する。
日特は「販路や生産体制の融合により、業界全体で最適な生産体制を構築することでグローバルでの安定供給を実現する」としている。デンソーは内燃機関向けの事業を手放すことで、車の電動化に欠かせないソフト開発などに資金を集約する。
【関連記事】
- ・デンソー、日本特殊陶業に自動車プラグ売却で合意 中国勢に対抗
- ・日本特殊陶業4〜6月期、純利益14%減 円高で下押し圧力
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。