コージェントラボのAIが読み取った文書内容を人の目で確認する(照合作業のイメージ)=NXワンビシアーカイブズ提供

人工知能(AI)技術開発のCogent Labs(コージェントラボ、東京・港)は2日、企業の文書をAIと人の目で高精度にデータ化するサービスを始めたと発表した。開発投資に充てるため、NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)子会社から第三者割当増資で約5億円も調達した。

NXHD完全子会社で、企業向け情報管理支援などを手がけるNXワンビシアーカイブズ(東京・港)と8月に資本業務提携を結んだ。データ化した文書の照合作業や保管サービスで協業する。

数千万枚の日本語文書を学習させ、独自のAI設計技術で一般的な大規模言語モデルよりも高速に言語処理できるようにした。企業間の受発注書類や消費者との契約書、会議の議事録といった50種類以上の書式に対応する。

サービスではまず、コージェントラボが開発したAIが文書の内容を読み取って電子ファイルなどに変換する。AIが読み取った内容はNXワンビシアーカイブズの担当者が目視で正誤を精査する。

人の手で修正した内容は定期的にAIに学習させ、精度を高める。電子化したデータは同社が厳重に管理する専用サーバーなどで保管する。利用企業は保管した文書データをいつでも照会できるほか、自社システムと連携させることもできる。

機密性の高い文書を多く抱え、正確なデータ化を求める金融機関や大手企業などの需要を見込む。2025年度内に約100社への導入を目指す。

同日記者会見したコージェントラボのエリック・秀幸・ホワイトウェイ代表は「AIによる高精度で高速な認識技術と人の目による確認を組み合わせ、効率性と安全性を両立した」と話した。

BUSINESS DAILY by NIKKEI

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