【ワシントン時事】トランプ米大統領は4日、日本との貿易交渉での合意を履行する大統領令に署名した。自動車関税を現在の27.5%から15%に引き下げる。官報に掲載後、7日以内に税率を修正する手続きを取るよう商務長官に命じた。15%が上乗せされている相互関税の適用方法も修正した。
日本政府が年77万トン程度を無税で輸入するミニマムアクセス(最低輸入量)の枠内で、米国産のコメ輸入を75%拡大するよう取り組むとも明記した。
7月22日に妥結した日米合意がおおむね反映された格好だ。赤沢亮正経済再生担当相は大統領令を早期に出すよう求める詰めの協議のため訪米。ラトニック商務長官と会談した。
両氏は投資に関する覚書に署名。ラトニック氏は「日米関係が新たな時代となる歴史的な日だ」と強調。「石破政権とトランプ政権が緊密に協力し、素晴らしいパートナーシップを築いていく」と語った。
相互関税は、既存の税率が15%以上の品目には上乗せされない。15%を下回るものについては相互関税と合わせて15%が適用される。現在は一律15%を上乗せする形で関税が課されているが、過払い分は8月7日の発動日にさかのぼって還付される。
また、トウモロコシや大豆、バイオエタノールなどの農産品と米国製品について、日本政府が年80億ドル(約1兆2000億円)規模で輸入。米国製の航空機や防衛装備品も購入する。
米国の安全認証を受けた米国製の自動車については、追加試験を経ずに日本での販売を受け入れるよう日本政府が取り組むと明記した。
大統領令には、米国に対する5500億ドル(約82兆円)の投融資についても盛り込まれたが、詳細な記述はなかった。
日米交渉を主導してきたベセント米財務長官はX(旧ツイッター)に「日米同盟にとって新たな節目の日だ」と投稿。「この合意は両国の経済関係を強化するものだ」と強調した。
トランプ米大統領=8月26日、ワシントン(AFP時事)
署名式で握手する赤沢亮正経済再生担当相(右)とラトニック米商務長官=4日、ワシントン(代表撮影・時事)
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