岩手県大船渡市三陸町吉浜などで大規模太陽光発電事業を進めていた「自然電力」(福岡市)は4日、事業の中止を発表した。人件費や資材費の高騰などで、継続が困難と判断したという。

 2014年に同社が市に事業を申請し、大窪山を含む市有地を中心とした約98ヘクタールのうち約25ヘクタールに、約7万6600枚のパネルを設置する計画だった。年間発電量は3万5千メガワット時を見込んでいた。

 だが予定地での生態系への影響などをめぐり、住民の間で賛否が分かれた。環境への負荷を減らすため、同社では当初予定していた荒金山でのパネル設置を断念。23年から環境アセスメントを行っていた。

 同社では、自然環境への影響に関する科学的知見として地元に役立ててもらうため、環境アセスメントは任意で継続するという。中止の決定を受けて、渕上清市長は「驚いているが、熟慮した上での判断だと捉えている」とコメントを発表した。

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