
ホンダは8日、体の重心移動で動かす電動イス「ユニワン(UNI-ONE)」の提供を24日に始めると発表した。歩行に不安を抱える人の移動や活動を後押しする。まず、商業施設の警備・清掃や病院向けに売り込み、2030年までに1000台の導入を目指す。
ユニワンは進む方向を決めるレバーがなく、座ったまま自身の重心を傾けた方向に360度全方位に動かせるのが特徴だ。満充電時の航続距離は10キロメートル。最大時速は6キロメートルで、雨天時も使える。傾斜角度は10度までなら走れる。
売り切りとせず電池や保険を含めた定額サービスとする。3年や6年の長期契約プランをそろえ、電動イス1台あたり月額8万〜12万円にした。まず国内中心に販売し、30年度時点で売上高40億円を目指す。売上高営業利益率は20%を目標とする。

実証で利用していた商業施設や病院を中心とする10社・団体と長期契約を結んだ。そのうちの1社であるサンリオは、大分県日出町にある屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」で10月19日から採用する。
同日のユニワン説明会に出席したサンリオ傘下のサンリオエンターテイメント(東京都多摩市)の小巻亜矢社長は「わくわく感が増した、没入感のある体験ができるのではないか。いち早くお披露目したい」と期待した。
ユニワンは期間限定のイベント向けに1日単位(1台5万5000円)でも貸し出す。今後は都市機能を集約した「スマートシティー」が日本国内で増えていく見通しだ。目的地の施設内の移動をスムーズにする便利な移動手段として法人向けの採用を増やす。
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