AI対応を急ぐグーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)

米グーグルの生成AI(人工知能)を使った新型検索機能が日本語など5言語に対応する。知りたい内容を会話文で尋ねるとAIが回答を生成する。追加で質問することで精度高く回答を引き出せるほか、質問文に画像を組み合わせて尋ねることも可能だ。同社のAI検索が英語以外の言語に対応するのは初めて。

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グーグルは9日からAI検索サービス「AIモード」を日本語、韓国語、ヒンディー語、インドネシア語、ポルトガル語の5言語に対応する。同社は今春にAIモードを発表し、米国や英国など英語圏で展開してきた。8月下旬からは英語版のAIモードを180以上の国や地域で利用できるようにした。

グーグルのトップページでAIモードに切り替えれば無料で利用できる。検索窓に会話文のように知りたい内容を尋ねると、グーグルのAIがウェブ上の情報をくまなく分析して回答する。

AIモードでは画像を組み合わせた質問にも対応する。例えば、正式な商品名のわからない衣類や機器の写真を撮って「これの正式な名前は」と聞くと、AIがウェブ上のデータをもとに回答する。音声で質問文を入力することもできる。

動画や画像の気になる部分だけを検索できる機能「かこって検索」もAIモードに対応する。例えば、動画の中で著名人が身につけるメガネや靴を指で囲むと、AIが似た商品を探してくれるといった利用が可能だ。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載のスマートフォンで使えるようにする。

AI検索が浸透すれば、利用者が情報元のサイトを閲覧しない「ゼロクリック検索」が増えるとの指摘もある。そうなればネット広告の表示回数が減り、広告で収益を得るグーグルやサイト運営者、ネット広告事業者にとって打撃となる。

検索エンジン対策ツール大手の米セムラッシュの調査では、AIモードではゼロクリックの割合が9割を超えたという。広告閲覧の減少リスクについてグーグル側は「多くの調査は不正確な情報に基づいており、大きな減少は起きていない」としている。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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