
シャープは10日、コーポレートスローガンを刷新したと発表した。2016年11月から使用していた「Be Original.」から「ひとの願いの、半歩先。」に変えた。9年ぶりに刷新したスローガンは、消費者の困りごとや社会課題に対して、先回りした製品やサービスを提供していくという同社の方針を反映した。今後放映される製品CMの最後にロゴと共に表示させて浸透を図る。
25年5月に公表した28年3月期まで3カ年の中期経営計画で掲げた今後のシャープが目指す方向性に基づいた。鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入った16年に制定されて直近まで使われていた「Be Original.」には、鴻海傘下でもシャープの経営理念や信条を大事にしていくという意思が込められていた。
スローガン刷新を担当したシャープのブランド戦略推進部の萬正博部長は「スローガンはシャープの宣言でありステークホルダーの皆さまへの約束でもある。言動と一致させていくために社内での浸透にも注力していく」と話す。
過去に使われたシャープのスローガンとして最も知名度が高いのは、1990年から2009年まで使われた「目の付けどころが、シャープでしょ。」だ。液晶テレビの「アクオス」1号機やカメラ付き携帯電話、オーブンレンジの「ヘルシオ」など独自性の高い商品を相次いで投入した時期と重なり、シャープのブランド力向上に大きく貢献した。
その後、液晶やプラズマクラスター、太陽光発電などの技術を柱に、メーカーとして製品を生み出すだけでなく、インフラにも踏み込んでいくという思いを込めた「目指してる、未来がちがう。」というスローガンが12年ごろまで使用された。
萬部長は「新たなスローガンが『目の付けどころが、シャープでしょ。』と同じくらい世の中に認知されるとうれしい」と期待を寄せる。
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