博報堂DYホールディングスは11日、東証プライム上場のデジタルホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。全株式を約355億円で取得し完全子会社にする。買収により、デジタルマーケティング領域で顧客やシェアを拡大。電通グループやサイバーエージェントなど競合を追い上げる。

買い付け期間は12日から10月28日まで。TOB価格は1株あたり1970円で、11日の終値(2143円)を下回る。デジタルホールディングスの株価は8月以降に急上昇しており、直近3カ月間の終値の平均からは40%程度のプレミアム(上乗せ幅)がある。博報堂DYの担当者は「適正な価格を提示したと考えている」と話した。

最大で全株式の66.20%にあたる1375万株を買い付ける。下限の757万株に満たない場合は買い付けない。成立後にデジタルホールディングスの取締役ファウンダーの鉢嶺登氏ら大株主から残る株式を取得する。全株式を取得できなかった場合はスクイーズアウト(強制買い取り)を実施する。

デジタルホールディングスは同日、TOBに賛同すると表明。応募については株主の判断に委ねるとした。成立すれば同社は上場廃止となる。TOBの成立を条件に、25年12月期の期末配当を0円にするとも発表した。従来予想は23円だった。

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