フジテレビ本社(東京都港区)

フジ・メディア・ホールディングス(HD)は12日、2026年3月期の連結純利益が165億円(前期は201億円の赤字)になる見通しだと発表した。従来予想から65億円上方修正した。東映アニメーション株1057万5000株を売却して特別利益280億円を計上することが利益を押し上げる。

売上高は前年同期比1%減の5466億円、営業損益は120億円の赤字とする従来予想は据え置いた。

東映アニメ1株当たりの売却価格は2835円となる。東映アニメの有価証券報告書によると、フジ・メディアHDの保有割合(議決権ベース)は3月末時点で8.31%だったが、売却により3.19%に下がる見通し。

フジ・メディアHDは政策保有株の圧縮を進めている。5月に発表した企業価値向上のための改革計画では、3年以内に政策保有株を1000億円超売却して、28年3月期までに純資産の15%未満とする方針を掲げている。

フジ・メディアHDを巡っては、アクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏が関わる投資会社や村上氏の長女の野村絢氏がフジ・メディアHD株を買い増ししている。足元では17.33%を保有する。フジ・メディアHDは7月末、株主からの要望を理由として9月末以降に、成長戦略や資本政策の方向性についてさらなる具体策を公表すると発表している。

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BUSINESS DAILY by NIKKEI

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