「万博ピアノ」を弾く河合楽器の関係者(12日、大阪市)

大阪・関西万博の会場で12日、奈良県にとって第3弾の催事「ALL NARA HARMONY(オール・ナラ・ハーモニー)『感じる奈良展』」が始まった。1970年の大阪万博で使われたグランドピアノ1台を展示し、同日には新たな万博を舞台に55年ぶりの音色を響かせた。13日まではストリートピアノとして来場者が演奏できる。

感じる奈良展では25日までの期間中、県内39市町村のPR映像を公開する。12日にはシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater(ダイアログシアター)―いのちのあかし―」での開会イベントに山下真知事らが参加した。同氏は「映像と県内市町村の魅力を味わってもらい、もっと奈良のことを好きになる人が増えてほしい」と語った。

開会イベントで来場者を出迎える山下知事㊧ら(12日、大阪市)

展示・演奏される「万博ピアノ」は河合楽器製作所が70年の大阪万博向けに製造した3台のうちの1台だ。現在、奈良県立宇陀高校(同県宇陀市)が所有している。保存状態が良いため今回の万博で展示・演奏することになった。15日まで公開する。

万博ピアノは70年の大阪万博のイメージカラーであったエメラルドグリーンで塗装されている。大阪万博では音楽コンサート野外劇場で使われていた。閉幕後、買い取った奈良県内の企業が宇陀高に寄贈し、入学式や卒業式などで演奏されてきたという。

万博ピアノはほかに2台ある。このうち1台は千葉県野田市のキッコーマンの体育館内に置かれ、もう1台はマレーシアのボルネオ島にあることが確認されている。

普段は奈良県立宇陀高校に置かれている「万博ピアノ」(奈良県宇陀市)

12日にはシグネチャーパビリオンの「ダイアログシアター」内にある「森の集会所」で県内全市町村のPR映像を放映し始めた。奈良県出身の映画監督で万博のテーマ事業プロデューサーを務める河瀬直美氏が制作し、多くの来場者が見入っていた。

自ら制作した市町村のPR動画について説明する映画監督の河瀬氏(12日、大阪市)

奈良県は、関西広域連合が設置した「関西パビリオン」での常設ブースの出展を見送った。県の情報発信の場として万博の催事を活用している。

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