串カツ田中HDはファミレス業態に参入する

串カツ田中ホールディングス(HD)は16日、関西地方を中心にファミリーレストラン運営するピソラ(滋賀県草津市)を買収すると発表した。ピソラは釜で焼き上げるピザなど本格的なイタリア料理を提供している。買収総額は95億円で、M&A(合併・買収)を通じて居酒屋以外に業態を広げる。

12月1日付で買収する。ピソラの代表取締役である広瀬周栄氏と鬼界友則氏が保有する計100%の株式を取得し、役職員らに割り当てられている新株予約権を買い取る。広瀬氏らはピソラの経営に引き続き参画する。

買収に伴い第三者割当増資を実施する。串カツ田中HDの貫啓二会長のほか、ピソラの広瀬氏ら役員3人を引受先とし、合計で約40億円を調達する。払込日は12月1日で、希薄化率は議決権ベースで17.79%となる。金融機関から55億円を借り入れる。

ピソラは関西地方を中心に郊外のロードサイドなどで約60店舗を運営する。釜で焼き上げるピザや生パスタが特徴だ。2025年5月期の売上高は72億円で、営業利益は2億4500万円。出店エリアの拡大し、35年までに約5倍となる300店舗体制を目指している。

串カツ田中HDは、主力の串カツ店の国内店舗数を1000店と332店(25年5月末)から引き上げる目標を掲げている。事業の多角化やエリアの拡大に向けてM&Aも積極的に手掛ける方針だ。24年8月には天ぷら店を開業し、25年3月にはとんかつ専門店を開いた。

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