経営再建中の日産自動車で、苦戦を強いられていた中国での販売台数が回復している。8月の販売台数は前年同月比19.4%増の5万8756台で、前年同月の実績を超えるのは3カ月連続。4月に発売した電気自動車(EV)「N7」の好調な売れ行きが貢献しているという。
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「N7」は日産が初めて開発を中国主導で行ったEVだ。8月だけで1万148台が売れたという。開発にあたっては、これまでの車種では4~5年かかっていたところを約2年に短縮。部品も現地企業から調達することでコストを抑え、11万9900元(約248万円)と手ごろな価格を実現させた。
内装も快適な車内空間を重視する中国人ユーザーの好みを追求し、大型ディスプレーや冷蔵庫、座席シートのマッサージ機能などを備えている。
中国市場では、BYDなど現地メーカーのEVが人気を集め、日本を含む外国メーカーは劣勢に立たされてきた。日産幹部は「消費者の求めるものを出せば売れることが証明できた」と話す。
こうした現地主導のEV開発は、他の日系メーカーでも採用されつつある。トヨタ自動車も3月にEV「bZ3X」を中国で発売。価格は10万9800元(約227万円)からで、合弁相手の広州汽車の供給網から部品を仕入れるなどしてコストを抑えた。
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