関西電力美浜原子力発電所(福井県美浜町)

関西電力は17日、美浜原子力発電所(福井県美浜町)で実施する次世代原発の新設に向けた地質調査について、11月に着手すると発表した。29〜30年に調査を終える。調査結果に加え、次世代原発の開発状況なども踏まえて実際に新設するか判断する。

既存プラントがある周辺の南側エリアと、敷地外も含む北側エリアの大きく2エリアに分けて調べる。まず両側で広くボーリング調査などをする「概略調査」を実施し、新設の候補地をいずれかのエリアに絞る。その上で27年度から坑道を掘って試料を観察したりする「詳細調査」をする。

調査後に次世代原発「革新軽水炉」の開発状況や、原発新設への支援制度の整備状況などを踏まえて建設を検討する。建設可能と判断すれば、環境影響評価(環境アセスメント)などの手続きに入るとみられる。

関電は東日本大震災前にも美浜原発内で新設に向けた調査を実施していた。その際は北側エリアのみが対象だったが、震災後に安全対策が厳格化された新規制基準を念頭に、「選択肢を増やす必要があり、広範なエリアを対象にした」(同社)という。

関電は7月、美浜原発で新設に向けた地質調査を実施する方針を発表。同原発は1、2号機が運転が終了しており、3号機のみが稼働している。廃炉が決まったプラントの次世代原発への建て替え(リプレース)を目指す。

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