
トランプ大統領は17日、メラニア夫人とともにロンドン郊外のウィンザー城でチャールズ国王夫妻による出迎えを受けました。
両国の国歌が演奏されるなか、馬車で敷地内を巡り、衛兵の閲兵式などのセレモニーに参加しました。
そして、日本時間の18日午前5時前からは、チャールズ国王が主催する晩さん会に出席しました。

冒頭、チャールズ国王は「2度の世界大戦において、私たちは専制国家の勢力を打ち破るためにともに戦った。こんにち、専制国家は再びヨーロッパを脅かし、私たちは同盟国とともにウクライナを支援し、侵略を阻止し、平和を確保するために結束している」と述べました。

これに対し、トランプ大統領は2度目となる国賓訪問について「私の人生における最高の栄誉の一つだ」と謝意を示した上で、「アメリカとイギリスを結ぶつながりと、アイデンティティーのきずなは計り知れず、永遠だ。かけがえのないものであり、決して断ち切ることはできない」と述べて、今後も2国間の関係をさらに強化していくと約束しました。
晩さん会には、ウィリアム皇太子夫妻やスターマー首相、それにトランプ大統領の次女のティファニー氏やルビオ国務長官、ベッセント財務長官などトランプ政権の閣僚らも出席しています。
また、アップルのティム・クックCEOやアメリカの半導体大手、「エヌビディア」のジェンスン・フアンCEOなどおよそ160人が招かれているということです。
ロンドン中心部では抗議デモ

トランプ大統領の訪問にあわせて、イギリスの首都ロンドンの中心部では、17日、トランプ大統領に反発する人たちが各地から集まり抗議デモを行いました。
参加者は、「トランプ大統領を歓迎しない」とか、「家に帰れ」などと書かれたプラカードを持ち、パレスチナのガザ地区での人道危機や気候変動問題などへの対応をめぐり、抗議の声をあげながら、議会前の広場に向けておよそ3キロにわたって行進しました。
デモに参加した60代の女性は「私には娘と孫がいますが、トランプ大統領の政治がこの国に波及するのが心配です。彼は女性や非白人の権利を侵しています。イギリス政府はトランプ大統領が望むことなら何でもするのです」と話していました。
また、40代の男性は「トランプ大統領の気候変動対策への否定的な姿勢や反移民の政策にも賛同できません。国賓として歓迎されるべきではないと思います」と話していました。

警察によりますと、最大で5000人が参加したとみられるということで、デモが行われた周辺では多くの警察官が配置され、厳重な警戒態勢をしいていました。
一方、前日の16日夜にはロンドン郊外のウィンザー城で、トランプ大統領と、少女への性的虐待などの罪で起訴され、その後死亡した富豪、エプスタイン氏の画像が城に投影され、地元の警察は悪意ある行為をしたとして4人を逮捕しました。
エプスタイン氏をめぐっては、アメリカで、トランプ大統領との関係が取り沙汰されているほか、イギリス政府は先週、アメリカ駐在の大使がエプスタイン氏と親密な関係にあったとして解任しています。
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