
【ウィーン=共同】東欧アルバニアの議会で18日、人工知能(AI)が生成した架空の人物が新閣僚として初めて演説し「私は人間に取って代わるためではなく、支援するためにここにいる」と語った。欧州メディアによると、AIが閣僚になったのは世界で初めてだ。
AI閣僚の名前はアルバニア語で太陽を意味する「ディエラ」。ラマ首相が汚職対策のため、公共入札を監督する閣僚として起用した。
議会のスクリーンに映し出されたディエラはアルバニアの伝統衣装をまとった女性の姿でおよそ3分間演説した。「人間ではないという理由で私を違憲という者もいる」と指摘した上で「憲法に対する真の脅威は機械ではなく、権力者の非人道的な決定だ」と訴えた。
公共入札に関する決定は全てディエラに委ねられる見通しだ。ディエラは「市民権はないが、個人的な野心や利害はない」とも強調した。野党議員らは書類を議場で投げつけるなどして反発した。
ラマ氏は18日、与党の賛成多数で4期目の新政権を発足させた。親米欧のラマ政権は2030年までの欧州連合(EU)加盟が公約だが、汚職対策が課題となっている。
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