組織改革を進めている国連は18日、関係する機関の統廃合に向けた検討の中間報告書を公表した。途上国などに人口分野の支援をする国連人口基金(UNFPA)とジェンダー平等などに取り組む国連女性機関(UN Women)とを統合する可能性などを盛り込んだ。HIV(エイズウイルス)対策を率いてきた国連合同エイズ計画(UNAIDS)は廃止し、他の機関で対応する計画だとしている。

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 各機関や部署で重複している活動内容を整理するのが狙い。他に、国連開発計画(UNDP)とインフラ整備などを行う国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)との統合を検討していることや、調査研究や政策分析をする国連社会開発研究所(UNRISD)を東京に本部を置く国連大学に統合する可能性なども示した。

 国連憲章が掲げる目的の達成や、加盟国に対する支援機能の強化、効率性の向上などが前提で、「(最終的な)判断は加盟国が行う」としている。

 国連は3月から組織の合理化や経費削減などの検討を始めている。国際機関への資金拠出に否定的なトランプ米大統領の復権を受けた動きだとみられている。今月15日には、国連本体の来年の通常予算を前年予算から15%削減するなどの内容をまとめた。この予算削減とは別に、国連の関連機関の統廃合についても検討を進めていた。

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