スーパー台風18号は台湾の南の海上を通過し、24日正午時点で香港やマカオが暴風域に入りました。
さらに、24日午前3時には台風20号が発生。
現在、日本の南ではトリプル台風が渦巻く状況となっています。
23日に台湾の花蓮県の川で撮影された映像では、真っ黒な濁流が激しい音を立てながら今にも氾濫しそうな勢いで流れ下り、橋にぶつかっている様子が確認できます。
台湾メディアによりますと、台風18号による大雨の影響で、東部の花蓮県にあった「せき止め湖」の水があふれ川に流れ込み、堤防が決壊しました。
下流の橋が流された他、市街地に大量の水が流れ込み、多くの建物が浸水するなどの被害が出ています。
住宅の2階部分から撮影された映像では、1階が黒い濁流にのみ込まれている様子が分かります。
水位はさらに増して、濁流は2階部分のすぐそばまで押し寄せました。
冠水した道路には車が浮かび、大きなトラックも押し流されていました。
台湾メディアによると、台風18号の影響で「せき止め湖」があった花蓮県の山地では、23日の24時間雨量が500mm以上に達する恐れがあるとして、重大な警報が出されていました。
「せき止め湖」の決壊に伴い、これまでに15人が死亡し、32人がけが、17人が行方不明になっています。
決壊から一夜明けた街の様子を見ると、道路には大量に流れ込んだ土砂などが堆積し、濁流で押し流された車が重なり合うように止まっていました。
台湾に大きな被害をもたらしたスーパー台風18号。
影響は、中国南部の広東省や香港などにも及んでいます。
海に近い香港のホテルで撮影された映像では、茶色く濁った大量の水がドアの一番上にまで押し寄せ、外は一面、海水に覆われている様子が分かります。
すると次の瞬間、濁流がドアのガラスを突き破って一気に室内へ流れ込み、中にいた人たちが流されました。
けが人はいなかったということです。
中国・広東省では、台風18号による暴風に見舞われ、横殴りの激しい雨が降り続けました。
24日に広東省で撮影された映像では、大きな木の枝が強風で折れ、自転車は折り重なるように倒れた状態になっていることが確認できます。
空港では便の欠航が相次ぎ、旅行者などに影響が出ています。
台湾を訪れていた日本人旅行者が23日に撮影した映像では、車のフロントガラスをたたくほどの激しい雨が降っている様子が確認できます。
本来は23日の便で帰国する予定でしたが、台風の影響で欠航となり、滞在延長を余儀なくされているといいます。
旅行者は「日本に戻る予定だったんですけど、飛行機が香港発台北経由のものだったので、台風の影響をもろに受けてしまって日本に帰れなかった感じですね。22日夜くらいから風が結構強くなってきて、23日は土砂降りですね。車運転するのも危ないくらい降ってました」と話しました。
台風18号は、早ければ24日夜にも中国大陸に上陸する見込みです。
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