27日、ブザンソン国際若手指揮者コンクールの授賞式で喜ぶ米田覚士さん(中央)=フランス東部ブザンソン(共同)

【ブザンソン=共同】フランス東部ブザンソンで27日、第59回ブザンソン国際若手指揮者コンクールの決勝が行われ、岡山市出身の米田覚士さん(29)=千葉県松戸市在住=が優勝した。同コンクールは若手指揮者の登竜門とされる。日本人の優勝は11人目。1959年に故小澤征爾さんも優勝している。

米田さんは授賞式で優勝が発表されると、興奮した様子で審査委員長と抱き合って喜んだ。報道陣に「うれしい以外に言葉が出てこない。今後は世界中の素晴らしいオーケストラの皆さんと一緒に音楽ができる指揮者になれたらいいなと思っている」と話した。

米田さんは幼少期からピアノを学び、岡山市内の高校を卒業後、東京芸大指揮科に進んだ。現在は日本国内で指揮活動を行っている。

27日の決勝は米田さんと米国、中国出身者の計3人が競った。課題曲はベルリオーズの歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」組曲、フランスの作曲家レジス・カンポ氏が今回のコンクールのため作曲した楽曲だった。

27日、ブザンソン国際若手指揮者コンクールの決勝で、大きな拍手を受ける米田覚士さん(下中央)=フランス東部ブザンソン(共同)

米田さんは約40分間に及ぶ課題曲の指揮を終え、汗だくになった姿で観客席に向かって振り返ると、大きな拍手と「ブラボー」の歓声が上がった。

コンクールは51年に始まり、93年以降は2年に1度開催。佐渡裕さん(89年)や山田和樹さん(2009年)らも輩出した。優勝は19年の沖澤のどかさん以来。

決勝を見に来たブザンソン近郊在住の女性マリーズ・ディボさん(79)は「日本人は何度も優勝していて、日本の音楽教育の素晴らしさを実感した」と話した。

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