29日(米東部時間)、国連総会で演説した北朝鮮の金先敬外務次官(ニューヨーク)=ロイター

【ソウル=小林恵理香】北朝鮮の金先敬(キム・ソンギョン)外務次官は米東部時間29日、ニューヨークで開催中の国連総会で演説した。「我々は核を絶対に放棄せず、いかなる場合であれ、この立場を譲らない」と述べ、非核化に応じない立場を強調した。

「北朝鮮に非核化を強制することは主権や生存権を放棄させ、憲法を違反するよう求めることと同じだ」とも主張した。北朝鮮が核を保有することで抑止力となり、米国や韓国からの軍事的脅威にも対抗でき、朝鮮半島で力の均衡が保たれると論じた。

朝鮮半島周辺での米韓、日米韓の合同訓練実施などが地域の緊張を高めていると批判した。「主権国家を標的とした核兵器使用を想定した演習を行っている場所は、朝鮮半島周辺以外に世界のどこにも存在しない」と指摘した。

北朝鮮が本国から国連総会に政府高官を派遣するのは2018年以来で7年ぶり。2019年以降は金星(キム・ソン)国連大使が国連総会に出席し、演説で核・ミサイル開発の正当性を訴えてきた。

韓国メディアによると金先敬氏は今回の米国滞在中に北朝鮮の友好国でもあるキューバやニカラグア、ベネズエラの外相らと会談した。

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