
【ニューヨーク=竹内弘文】米南部テキサス州のTXSEグループは30日、テキサス証券取引所(TXSE)の設立承認を米証券取引委員会(SEC)から得たと発表した。上場に関わるコストの低減を訴求し、上場企業の招致を目指す。2026年に上場株の売買を始め、同年中に上場第1号を目指す。
米国の新規上場はニューヨーク証券取引所とナスダック証券取引所による寡占が続いている。TXSEは声明文で「業界最高水準の定量的な(上場)基準を維持しつつ、上場時や上場維持の負担を軽減させる」と説明。TXSEのジェームス・リー最高経営責任者(CEO)は「米国における企業上場を巡る真の競争がついに始まる」と述べた。
現時点で上場関連費用や規則の全体像は明らかにしていない。上場企業から徴収する金額面をナスダックなどに比べて低めに抑えるほか、規則のスリム化により順守にかかる手間を低減するものとみられる。
上場規則策定を主導する委員会トップを務めるリチャード・フィッシャー元ダラス連銀総裁は5月、「我々は政治的あるいは社会的な要素を上場企業に強制することはない。収益性やキャッシュフローなどに焦点を当てる」と語っていた。
保守層の強いテキサス州は州法の改正で株主提案権の行使にかかるハードルを引き上げるなど、企業フレンドリーな姿勢を打ち出して有力企業の誘致に注力している。TXSEの誕生によりテキサスが企業・金融の集積地として飛躍できるか注目される。
TXSEグループには、世界最大の運用会社である米ブラックロックや米電子取引大手シタデル・セキュリティーズ、米ネット証券大手チャールズ・シュワブなどが出資している。
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