イスラエルとの戦闘を続けるイスラム組織ハマスは3日、トランプ米大統領が主導した和平案に対し、条件付きで人質全員の返還に合意すると発表した。仲介者を通じて詳細を詰める交渉に入る用意があるとしている。イスラエルメディアによると、イスラエルの政治指導層はハマスの回答後、イスラエル軍に対して、ガザでの作戦を「最小限」に縮小することを求める命令を出したという。
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ただ、パレスチナ自治区ガザでの統治をめぐるハマスとイスラエル側の隔たりは大きく、停戦などに向けて不透明な状況が続くとみられる。
ハマスは声明で、トランプ氏が9月29日に発表した和平案について、ガザでの戦争の終結やイスラエル側による占領の否定などが含まれていたことを評価。イスラエル側に越境攻撃した際に捕らえた約50人の人質について、「条件が満たされれば、亡くなった人も含めて全員返還する」とした。
ガザの戦後統治については、アラブやイスラム諸国が関与したうえで、パレスチナの機関に引き渡すことを支持。「ガザの将来などは、パレスチナ国家の枠組みの中で議論されるべきだ。ハマスはその一部となり、全面的な責任を持って貢献する」と主張した。
ただ、米国とイスラエルが合意した和平案は「ハマスやその他の派閥は、ガザの統治において一切の役割を担わないことに合意する」と明記しており、食い違いがある。
また、イスラエルのネタニヤフ首相は「パレスチナ国家は今後も存在しない」と述べるなど、パレスチナの将来的な独立を認めない姿勢を崩していない。
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