鈴木知事がプロジェクトリーダーとして全国知事会で取りまとめ、国に対して行った外国人の受け入れに関する提言をめぐり、静岡県に苦情の電話やメールが相次いでいることがわかりました。

7月30日に首相官邸を訪れた鈴木康友 知事。

青木一彦 官房副長官に面会し、外国人の受け入れと多文化共生社会の実現に向けた提言書を手渡しました。

提言は7月23日から青森県青森市で開かれた全国知事会で鈴木知事がプロジェクトリーダーとなり、取りまとめたものです。

全国知事会が求めたのは外国人の受け入れと共生社会の実現について国が責任を持って進めること。

提言で、国は外国人を労働者と見ているが、地方から見れば日本人と同じ生活者であり地域住民としました。

その上で、就労制度の柔軟な対応や共生社会を目指す基本法の策定、司令塔組織の設置を提言しました。

面会後、鈴木知事は…。

鈴木康友 知事:
官房副長官からも国として人口が減っていく中で、国の成長戦略を描いていくためには外国人の方に活躍してもらう社会をつくっていかなければいけない。共生をしていくのは我々も同じ考えであると

知事会を代表しての提言でしたが、その後、静岡県に県内外から苦情の電話やメールが相次いでいて、8月19日までに約200件に上っていることがわかりました。

「外国人全員が嫌いではないが増えすぎていて不安だ」「受け入れを抑制してほしい」「日本の文化を守りたい」などの意見があったということです。

県の担当課は「1つ1つ大切な意見として受け止めている」と話しています。

鈴木知事は首相官邸での受け答えの際、浜松市長を16年務めた経験を交え、外国人とも安定した社会を作れることや丁寧な説明の必要性を訴えました。

鈴木康友 知事:
この問題は非常にエモーショナルな部分で、国民感情もセンシティブな問題になってくるので、正しい情報を伝え、国民の皆さんが不安にならないようなことを政府としても常に情報発信してもらいたい

参院選では外国人政策も争点となり、不安や不満を感じる人が少なくないことが示されました。

外国人の受け入れと共生について多くの人の理解を得ながらどう進めるか、これからがカギになります。

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