トランプ大統領はシカゴの犯罪対策を批判し、「反乱法」を発動する可能性に言及した=ロイター

【ニューヨーク、ワシントン=共同】米中西部イリノイ州と同州最大都市シカゴは6日、トランプ政権が治安改善を名目に同市に州兵を派遣するのは違憲だとして同州の連邦地裁に提訴した。一方でトランプ大統領は6日、シカゴの犯罪対策を批判し、連邦軍に国内の暴動鎮圧などに例外的に当たらせることを認める「反乱法」を発動する可能性に言及した。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し「シカゴを救わなければならない」と強調。1807年制定の反乱法に触れ「今は不要でも、必要があれば発動する」と強権行使を警告した。

共和党のトランプ政権は、野党民主党の首長がいる都市の犯罪対策が不十分だとして州兵らを派遣してきた。州や市は法廷闘争で対抗し、対立が深まっている。

政権はシカゴで犯罪が多発し不法移民取り締まりへの抗議活動も激化していると主張。米メディアによると、州兵300人を派遣する方針。イリノイ州側は訴状で、抗議活動は「小規模で平和的」だと反論し、州兵派遣はトランプ氏がシカゴと州に仕掛けている「戦争」の一環であり「違法で危険だ」と批判した。

トランプ氏は西部オレゴン州の最大都市ポートランドにも州兵派遣を決めており、州と市の訴えに基づき、州の連邦地裁が差し止めている。レビット大統領報道官は6日の記者会見で「大統領の法的権限には自信を持っている」と述べ、上訴すると明らかにした。

トランプ政権はこれまで、治安改善を名目に首都ワシントンや西部ロサンゼルスに州兵らを派遣している。

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