アメリカのトランプ大統領は8日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘終結に向けた和平案の「第1段階」に合意したと発表しました。
ガザの戦闘開始から2年ということで、この中で和平に向けた新たな情報が入ってきたということになります。
トランプ大統領が発表した和平案の第1段階の内容を見てみます。
イスラエル側は合意された“境界線”まで軍を撤退させること、そしてハマス側は人質全員を解放することなどが求められています。
そしてハマスが拘束する人質は遺体も含めて48人ということで、これに関してトランプ大統領は「おそらく13日に解放される」と発言をしています。
宮司愛海キャスター:
この合意に至ったタイミングをどうご覧になりますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
トランプ大統領のイスラエルに対する圧力が背景にあると思うんですが、タイミングでいうと10日にノーベル平和賞が発表されますから、その辺は意識してこのタイミングになってきているとは言えると思います。
青井実キャスター:
合意発表後もイスラエルの攻撃は続いているわけで、第1段階の合意というのは本当に実行されるんでしょうか。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
確かにハマス側はもうカードがないんですよ。イスラエル側もネタニヤフ首相は人質の家族からの批判が相当強まってますから、何らかの合意を取り付けてトランプ大統領の顔を立てるということでしょうけど、人質全員の解放といってますが生存が確認されているのは20人、その中の2人は生きているか死んでるか分からない。それ以外の亡くなった人質についていうと全員の遺体がどこにあるか分かっているわけじゃないということなので、土壇場でぎくしゃくして事が進まないことも考えられるかもしれません。一応、今の段階ではハマスもイスラエルも第1段階では合意と言っていますから様子を見るしかないですね。
宮司愛海キャスター:
これまでなかなかうまくいかなかったところも不安な材料ではありますが、今回の合意はあくまで第1段階ということで今後、例えばハマスの武装解除やガザ地区の非軍事化、こういった課題もまだあるわけですが実現していくと思いますか?
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
ハマスが武装解除するというのはあり得ません。それからこのあとにガザの暫定的な統治になるんですけど、そこからハマスを排除することになったんです。これについてハマスは何も明言していませんから、このあと仮に第1段階で事が進んでも、その後については見通せません。しかもハマスが人質を解放すればカードがなくなっちゃうんです、完全に。逆に人質全員解放されたらイスラエル側はもう一度攻撃を再開して、いろんなこじつけて徹底的にガザをたたくことにもつながりかねませんからね。どうしても先行きについては明るい見通しを持てません。
青井実キャスター:
ノーベル平和賞の発表前にということで、スケジュールはトランプ大統領が計算していたと読めるんでしょうか。
SPキャスター・柳澤秀夫氏:
何となく、そう見えないこともないんですよね。ガザの状況については、一定のトランプ大統領は努力をしていたんだということを示したかったというのが背景にあると思いますけどね。
青井実キャスター:
「賞を取ることではなく命を救うことだ」という言葉を信じていきたいと思います。
トランプ大統領は11日にも中東を訪問する予定だということです。
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