北朝鮮との統一に備えた政策を実行する韓国の統一省が14日、南北間の対話・交流などの部署を復活させる組織改編案を発表した。北朝鮮に対して強硬姿勢を採った尹錫悦(ユンソンニョル)前政権で4部門が一つに統廃合されるなどして政策目標の形骸化が指摘されていた。今回の改編案は、李在明(イジェミョン)大統領の意向による融和路線への政策転換を反映している。
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同省は1969年に設置され、南北対話から北朝鮮の情勢分析まで体系的に担う。尹氏は「北朝鮮支援省のようだ」などと批判し、南北対話を担う部署などを2023年9月に統廃合。代わりに北朝鮮の人権問題の究明などに向け人権人道室を設け、約620人だった同省の人員を約80人削減した。
一方、李氏は就任以来、北朝鮮の体制を尊重し、吸収統一の考えがないことなどを明言。尹政権が再開した拡声機による北朝鮮向け軍事宣伝放送を中止するなど融和路線を採っている。9月の国連総会では対北朝鮮政策について、「交流(exchange)」「関係正常化(normalization)」「非核化(denuclearization)」を柱とする融和基調の「END構想」を表明していた。
今回の組織改編案で、閉鎖している南北経済協力事業の開城工業団地に関連する業務を担う組織を含め、対話・交流に関連する部署の大部分を復活させ、人権人道室は廃止する。さらに民間を巻き込んで対北政策を立案する組織を新設させ、全体の人員も67人増の600人にする。同省は「対話・交流機能を回復し、平和共存の韓半島(朝鮮半島)にしていく」としている。政府内の手続きを経て来月初めにも組織改編する。
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