
【ワシントン=野一色遥花】米住宅の値下げが相次いでいる。8月に値下げされた物件は販売件数全体の16.7%で、8月の単月では集計開始した2012年以来最高となった。住宅ローン金利の高止まりなどによる販売低迷が響いている。
ネット不動産仲介のレッドフィンがまとめた。値下げの割合は3カ月連続で17%前後となった。戸建て住宅は全体の18%が値下げされた。コンドミニアムでは13%、タウンハウスでは12%だった。

値下げの主因は販売不振だ。8月の米中古住宅販売件数は400万戸(季節調整済み、年率換算)と足元のピークだった約4年半前の21年1月(660万戸)と比べると4割減った。
高い住宅ローン金利に加えて、在庫不足や資材高騰に伴って販売価格も高止まりしている影響が大きい。住宅の購入希望者は減り続け、8月は販売中の住宅数が買い手を51万件上回るなど、買い手優位が鮮明になっている。
買い手側は強気に転じている。8月に交渉中だった住宅売買契約のうち5万6000件(15%)が破談に追い込まれた。単月では2017年の集計開始以来の高水準だ。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。