ウクライナ軍によるロシア領内へのドローン(無人機)攻撃の激化に対応するため、ロシア国防省は22日、国と契約を結んでいる予備役兵を国内の民間施設の防衛にあてる方針を発表した。すでに改正法案を準備しており、これで捻出した兵力を、ウクライナ侵攻にあてる可能性もある。

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 対象となる予備役兵は、ロシア軍などでの従軍経験者。国防省と契約を結び、年1回の訓練を受け、戦争などの非常時に招集される。ロシアはウクライナ侵攻を「特別軍事作戦」と呼んで戦争ではないと主張しているため、今回の改正で「平時」の招集を可能にするという。

 ウクライナ侵攻で戦う兵士は約70万人とみられるが、ロイター通信は今回の改正で、予備役兵約200万人の動員が可能になると伝えている。動員の期間は最長2カ月となる。

 ロシア国防省は、予備役兵は国外に派遣せず、国内の重要インフラなどの防衛にあたるとしている。ただ、これによって侵攻に振り向ける兵員が増える可能性がある。

 また、ロシアはウクライナ東部ドンバス地方などは「ロシアの領土」だと主張しており、これらの地域に予備役兵が派遣される可能性がある。ロシアメディアは、改正案によって予備役兵が国外に派遣される懸念もあると伝えている。

 ロシア各地ではウクライナ軍のドローンによる攻撃が激しくなっており、空港の一時閉鎖や、石油精製施設の損傷によるガソリン不足の問題が起きている。

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