ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比17ドル29セント高の4万6607ドル70セントで推移している。市場予想を上回る決算を発表した主力銘柄の一部に買いが入っている。半面、持ち高を一方向に傾ける動きは限られており、上値は重い。

ハネウェル・インターナショナルは7%あまり上げる場面がある。23日発表の2025年7〜9月期決算で売上高などが市場予想を上回り、25年12月期通期の特別項目を除く1株利益見通しを引き上げた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、アメリカン航空グループも買われている。23日発表の決算で特別項目を除く1株損益の赤字幅は市場予想よりも小さく、10〜12月期は市場予想を上回る黒字幅となる見通しを示した。

一方、決算をきっかけに売られる銘柄もあり、相場の重荷となっている。IBMは一時8%あまり下げた。前日夕に発表した四半期決算で主力のソフトウエア部門の売上高が市場予想並みとなり、物足りないと受け止められた。株価は前日までに昨年末比で3割ほど上昇した後で、材料出尽くし感から利益確定売りも出やすい。

このほかのダウ平均の構成銘柄では、シェブロンが高い。米財務省が22日、ロシアの石油大手ロスネフチなどを経済制裁の対象に加えたと発表。欧州連合(EU)も23日、ロシアに追加制裁を科すことで合意し、米原油先物相場が大幅に上昇し、石油株を押し上げている。

スリーエム(3M)やキャタピラー、アマゾン・ドット・コムが上昇している。一方、ユナイテッドヘルス・グループやセールスフォースは安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も一進一退で始まった。テスラには売りが先行している。前日夕発表の四半期決算は3四半期ぶりの増収となったものの、1株利益は市場予想を下回った。関税による自動車部品コストの増加も負担となっている。営業利益は4割減った。

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