ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=田中俊行】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まった。午前9時35分現在は前日比280ドル79セント高の4万7015ドル40セントと、21日につけた最高値を上回って推移している。

朝発表の米物価指標が市場予想を下回り、米国の追加利下げが意識されて買いが優勢になった。2025年7〜9月期決算発表が本格化するなか、好業績の銘柄に買いが入り指数を支えている。

米労働省が発表した9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(3.1%上昇)を下回った。エネルギーと食品を除くコア指数の伸び率も予想より低かった。米関税の影響で上振れリスクがあるとの声があったが、インフレ圧力は想定ほど高くないとの見方が広がった。

米金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利を予想する「フェドウオッチ」によると、市場では米連邦準備理事会(FRB)が26年1月までに0.25%の利下げを3回実施するとの見方が広まっている。CPI下振れで米利下げ観測が高まり、株買いを誘った。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、インテルが前日比5%あまり上昇する場面がある。23日夕に発表した25年7〜9月期決算は売上高が市場予想を上回った。最終損益は7四半期ぶりに黒字に転換し、業績回復を評価した買いが入った。

フォード・モーターも高い。23日、取引先のアルミ工場火災を受けた生産への影響で、25年通期の業績予想を引き下げた。だが25年7〜9月期の特別利益を除く1株利益はアナリスト予想を上回り、好感する買いが入っている。

ダウ平均の構成銘柄では、24日発表の7〜9月期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上昇している。エヌビディアやゴールドマン・サックス、アマゾン・ドット・コムも高い。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は下げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まり、8日につけた最高値(2万3043)を上回っている。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジー、ブロードコムなど半導体株に買いが集まった。

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