台湾での日本統治が終わって80年となるのを記念した式典が25日、北京で開かれた。国営新華社通信が伝えた。中国は今年からこの日を「台湾光復(復帰)記念日」とすると決定。式典で中国共産党序列4位の王滬寧(ワンフーニン)・全国政治協商会議主席が、中台の平和統一を改めて訴えた。台湾の民進党は反発している。

  • 台湾人の歴史を取り戻す 日本統治下の戦争、記憶を求めてドラマ誕生

 王氏はこの日の演説で、中台の平和統一の方針を堅持し、台湾独立に向けた活動を許さないと述べた上で、「両岸(中台)の同胞を団結させ、中華民族の偉大な復興をともに作り上げる」と語った。

 1945年10月25日は日本の台湾統治が終了した日にあたる。式典は中国の抗日戦争(日中戦争)勝利80年の行事の一環として行われた。記念日を定め、活動を国家レベルに格上げすることで、中台統一への機運を高める狙いがあるとみられる。

台湾の民進党政権は反論

 一方、当時の中国は国民党政権による「中華民国」が統治していた。その後、内戦を経て、共産党が49年に中華人民共和国の建国を宣言し、国民党は台湾に逃れた。台湾では民主化を経て、現在は民進党が政権を担っている。

 民進党政権は記念日の制定や式典の開催など中国側の動きについて、「台湾は中国の一部」だとする中国側の主張を強化する目的があるものとして警戒している。台湾当局で対中政策を担う大陸委員会は25日、「共産党は台湾を一日たりとも統治したことはない」と反論する声明を発表した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。