日ASEAN首脳会議で記念写真に納まる高市首相(中央)ら(26日、マレーシア・クアラルンプール)=ロイター

【クアラルンプール=今尾龍仁】マレーシアを訪問中の高市早苗首相は26日、東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議に出席した。日ASEANは共同声明をまとめ、「法の支配に基づく国際秩序」の理念を訴えた。南シナ海への海洋進出を進める中国が念頭にある。

首相は出席した各国の首脳に「ASEANとともにインド太平洋地域の平和・安定・繁栄を守り抜いていきたい」と呼びかけた。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の実現に意欲を示した。

FOIP構想は安倍晋三元首相が2016年に提唱した。首相は近年の国際情勢を踏まえつつ首相は安倍氏の外交理念を継承・発展させる考えだ。

ASEANも透明性や法の順守などを掲げる独自構想「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」を持つ。共同声明はFOIPとAOIPが本質的な価値観を共有していると確認し、「分断や対立」に対し「協力」を重視する姿勢を打ち出した。

日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)や、地域的な包括的経済連携(RCEP)などを通じて経済協力を拡大する。事務レベルの協議体として「日ASEAN経済関係強化のためのワーキンググループ」の立ち上げで合意した。

世界各国の開発競争が激しくなっている人工知能(AI)分野では、安全、安心で信頼できるAIの普及に向けて「日ASEAN・AI共創イニシアチブ」を発表した。

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