トルコからの分離独立をめざし、40年以上にわたり武装闘争を続けてきたクルド人の非合法組織「クルディスタン労働者党」(PKK)が26日、全ての部隊を国内から撤退させると発表した。PKKに近いメディアが報じた。組織の解散プロセスの一環で、見返りにトルコ政府にメンバーの恩赦や政治活動の権利を求めているとみられる。

 PKKは声明で、政府との和平を進めるために部隊を拠点があるイラク北部に移すとした。一方、「民主的政治参加を可能にする自由と統合のための法整備が遅滞なく行われるべきだ」とも強調した。

 PKKは近年弱体化しており、既に活動の中心はイラク北部に移っている。今年5月には、収監中の指導者オジャラン氏の呼びかけに応じ、武装闘争の終了と組織の解散を宣言。7月に武器の放棄を開始していた。

 今回の撤退表明を受けて、トルコの政権与党、公正発展党(AKP)の報道官は26日、声明で「テロのないトルコの実現に向けた具体的な成果だ」と歓迎した。政府は今後、メンバーの社会統合や国民との和平に向けて取り組む構えだ。

 PKKは1978年に発足し、84年に武装闘争を開始した。政府は米英や欧州連合(EU)とともにPKKを「テロ組織」に指定しており、「一連のテロで4万人以上が犠牲になった」と主張している。

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