
【サンパウロ=共同】アルゼンチンで26日、経済危機からの脱却を進めてきた右派ミレイ大統領への審判となる議会中間選挙が実施された。開票率98%時点の中間集計によると、ミレイ氏の政党「自由の前進(LLA)」が大幅に議席を増やす見通し。地元メディアはLLAの勝利と報じた。
トランプ米大統領を慕うミレイ氏は過激な言動で「アルゼンチンのトランプ」とも呼ばれる。トランプ氏はミレイ氏側が勝利すれば、アルゼンチンを支援する考えを示していた。選挙結果に影響した可能性がある。
野党候補の一人は地元紙の取材に「難しい選挙になった。トランプ氏が選挙の流れをつくった。不公平だ」と述べた。
ミレイ氏は首都ブエノスアイレスでの集会で「歴史的な日だ。偉大なアルゼンチンをつくる」と勝利宣言した。トランプ氏はSNSでミレイ氏を祝福し「われわれのミレイ氏への信頼が裏付けられた」と強調した。
改選対象は上院(定数72)の24と、下院(同257)の約半数に当たる127の議席。LLAの下院議席数は37だったが、81に増加。協力関係にある政党の議席を加えると、野党提出法案への大統領拒否権発動などが可能になる86議席を超える。LLAの上院議席数は3倍の18議席となる。
トランプ政権はアルゼンチン政府を支援する構えで、通貨ペソの買い入れや200億ドル(約3兆円)規模の通貨交換(スワップ)協定締結で合意した。
ただ、14日にミレイ氏と会談したトランプ氏は「彼が勝てば共にいるが、負ければ去る」と述べ、LLA勝利が支援の条件との考えを示唆した。
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