日米両政府が28日発表した「日米間の投資に関する共同ファクトシート」の全文は次の通り。

◇今般のトランプ大統領の訪日に際し、日米両政府は、日米両国の企業が、次の分野におけるプロジェクト組成に関心を有していることを歓迎した。

【】は、事業規模の総額(投資、売り上げ等)を示す。

1、エネルギー

・Westinghouse(ウエスチングハウス) AP1000 原子炉及びSMR(小型モジュール炉)の建設。三菱重工業、東芝やIHI等の日本企業の関与を検討。【最大1000億ドル】

・GEベルノバ/日立 SMR(BWRX-300)の建設。日立GEベルノバ等の日本企業の関与を検討。【最大1000億ドル】

・ベクテル(Bechtel) 重要な中核施設への信頼性の高いエネルギー供給をサポートする発電所、変電所、送電システムなどの大規模な電力および産業インフラにおいて、プロジェクト管理、エンジニアリング、調達、建設サービスを提供。日本企業の関与を検討。【最大250億ドル】

・キーウィット(Kiewit) エンジニアリング、調達、建設サービスを提供。日本企業の関与を検討。【最大250億ドル】

・GEベルノバ ガスタービン、蒸気タービン、発電機などの大型電力機器を、送電網の電化および安定化システム(重要な中核施設向けの高電圧直流送電(HVDC)や変電所ソリューションを含む)に供給。日本企業の関与を検討。【最大250億ドル】

・ソフトバンクグループ 大規模電力インフラ構築のための仕様、設計、調達、組立、統合、運用、メンテナンスを設計・開発。【最大250億ドル】

・キャリア(Carrier) 電力インフラに不可欠な冷却装置、空調システム、冷却液配分ユニットを含む熱冷却システムおよびソリューションの供給。日本企業の関与を検討。【最大200億ドル】

・キンダー・モーガン(Kinder Morgan) 天然ガス送電およびその他の電力インフラサービスを提供。日本企業の関与を検討。【最大70億ドル】

2、AI(人工知能)向け電源開発

・ニュースケール/ENTRA1エナジー AI向けの電源開発(ガス火力、原子力)を検討。

3、AIインフラの強化

・東芝 ビジネス・技術等の諸条件における合意を前提に、電力モジュール、データセンター用変圧器、変圧器等の変電設備機器の供給及び米国におけるサプライチェーン(供給網)の強化を目指す。

・日立製作所 HVDCの送電設備および変電設備、データセンター向けトランスフォーマーを含む電力インフラの供給およびサプライチェーンの強化。

・三菱電機 データセンター向け発電に関するシステム(例えば発電機、送配電システムなど)、及びデータセンター機器(例えばUPS、チラー(IT Cooling)、受変電システム、非常用発電機など)の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化。【最大300億ドル】

・フジクラ 光ファイバーケーブルの供給。

・TDK AIインフラに不可欠な先端電子部品、パワーモジュールの供給及び米国におけるサプライチェーンの強化を目指す。

・村田製作所 高品質な多層セラミックコンデンサ(MLCC)、インダクタ、EMI抑制フィルタなど、先進的な電子部品を提供し、また、リチウムイオン電池における専門技術を活かし、バックアップ電源およびエネルギー貯蔵システム(以下「ESS」)向けバッテリーモジュールの開発を進めており、バックアップ電源及びESS向け製品(AC-DC/DC-DCコンバータモジュール、リチウムイオン製品、バッテリーモジュール)、先進電子部品の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化を目指す。【最大150億ドル】

・パナソニック ESS、その他電子機器・電子部品の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化。【最大150億ドル】

4、重要鉱物等

・ファルコン・カッパー 米国西部に位置する銅製錬・精錬施設の建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【20億ドル】

・カーボン・ホールディングス グリーンフィールドのアンモニア及び尿素肥料施設の建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【最大30億ドル】

・エレメントシックス・ホールディングス 高圧・高温によるダイヤモンド砥粒製造施設の建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【5億ドル】

・マックスエナジー 載貨重量10万トンクラスの原油タンカーに対応するためのしゅんせつ・拡幅を含む、米国南部の船舶航路改善プロジェクトの完了。アメリカの原油の輸出を促進。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【6億ドル】

・ミトラケム リチウム鉄リン酸塩の生産施設を建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【3.5億ドル】

◇日米両政府は、9月4日に日米両国が署名を行った5500億米ドルの戦略的投資に関する了解覚書の対象となる案件も含め、今後、日米両国のサプライチェーン強靱(きょうじん)化に資する様々なビジネス上の取り組みが推進されることについて、強い期待を表明した。

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