【NQNニューヨーク=横内理恵】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、終値は前日比161ドル78セント(0.34%)高の4万7706ドル37セントだった。3営業日続けて過去最高値を更新した。米中貿易摩擦の緩和や米利下げ観測に加え、エヌビディアなど個別に好材料の出た銘柄への買いが主要株価指数を押し上げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。終値は前日比190.037ポイント(0.80%)高の2万3827.493(速報値)で、3日続けて最高値を更新した。アナリストが目標株価を引き上げたインテルの上昇が目立った。

多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は4日続伸した。終値は前日比15.73ポイント(0.22%)高の6890.89(速報値)で、3日連日で最高値を更新した。

投資家のリスクを取る姿勢が強まり、安全資産とされる金(ゴールド)先物価格は続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比36.6ドル(0.9%)安の1トロイオンス3983.1ドルで取引を終えた。

30日のトランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席による米中首脳会談を控えて、合成麻薬の問題などで両国が歩み寄る可能性があると伝わった。すでに貿易協議の合意の枠組みは整ったとされており、中国によるレアアース(希土類)輸出規制の実施延期や米国の対中追加関税の見送りなどが見込まれている。

米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続で0.25%の利下げを決める公算が大きい。同会合では量的引き締め(QT)の終了時期なども議論されるとみられ、金融引き締めを巻き戻す動きが続くことも投資家心理を上向けた。

エヌビディアは午後に大幅高となり、一時は約6%上げて上場来高値を更新した。同日の開発者会議(GTC)でジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)関連製品の強い見通しなどを語り、材料視された。

マイクロソフトも上げ、時価総額が終値で4兆ドルに達した。出資するオープンAIと新たな契約で合意し、好感された。アップルも時価総額が4兆ドルを超える場面があった。

今週は29日にマイクロソフトとアルファベット、メタプラットフォームズ、30日にアップルとアマゾン・ドット・コムが四半期決算を発表する。ハイテク大手を中心に収益改善期待が強まっており、物色が活発だった。

ダウ平均は午後に400ドル近く上昇した後、上げ幅を縮小して終えた。高値更新が続いているのに加え、週内の重要イベントを見極めたいムードがあり、引けにかけて勢いが鈍った。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、フィンランドの通信機器大手ノキアは22%高と急伸した。エヌビディアが28日に出資すると発表し、材料視した買いが集まった。

ダウ平均の構成銘柄では28日に四半期決算を発表したシャーウィン・ウィリアムズも買われた。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やナイキ、ウォルマートなどディフェンシブ銘柄が下げた。

【関連記事】

  • ・米中首脳会談、フェンタニル関税の引き下げ協議へ 米紙
  • ・NVIDIA、ノキアに1500億円出資 潤沢な資金で通信など新市場を開拓
  • ・OpenAI、組織再編でIPOに布石 出資のMicrosoftは時価総額4兆ドル

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。