
【NQNニューヨーク=稲場三奈】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比171ドル88セント高の4万7878ドル25セントと、最高値圏で推移している。エヌビディアを中心にハイテク株に買いが入り相場を押し上げている。ダウ平均の上げ幅は一時300ドル超となった。
エヌビディアは5%あまり上げる場面がある。時価総額は世界で初めて5兆ドル台に乗せた。前日の開発者会議(GTC)でジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)関連製品の強い見通しなどを語り、好感した買いが続いている。
トランプ米大統領は30日に予定する中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談でエヌビディアの先端半導体を議題にする意向を示している。ハイテク分野での中国に対する強硬な姿勢を緩めるとの観測から、ほかの半導体関連に買いが波及している面がある。
米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続で0.25%の利下げを決める公算が大きい。同会合では量的引き締め(QT)の終了時期も議論されるとみられる。緩和的な金融環境が続くとの期待も投資家心理の追い風となっている。
29日の通常取引終了後にはマイクロソフトとアルファベット、メタプラットフォームズが四半期決算を発表する。決算の内容や収益の見通しに関する発言などを見極めたい雰囲気もある。
個別では、キャタピラーが大幅高となっている。29日発表の2025年7〜9月期決算で売上高や1株利益が市場予想を上回った。併せて25年12月期通期の売上高見通しを引き上げ、買い材料視されている。ベライゾン・コミュニケーションズやメルクも高い。
半面、同日発表の7〜9月期決算で1株損益の赤字幅が市場予想を上回ったボーイングが売られている。セールスフォースやナイキ、コカ・コーラも安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5日続伸して始まった。前日に付けた最高値を上回り、2万4000台に乗せる場面がある。
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