メッシナ海峡大橋の完成予想図=イタリア道路公団提供・共同

【ローマ=共同】イタリアの会計検査院が29日、本土と南部シチリア島をつなぐ世界最長のつり橋「メッシナ海峡大橋」の建設計画を承認しない判断を出したと、地元メディアなどが報じた。直ちに計画が中止されるわけではないというが、何らかの影響が出る可能性がある。建設事業には日本のIHIも参画している。

会計検査院は30日以内に判断理由を公表するとしており、現時点で理由の詳細を明らかにしていないが、財源などを巡って懸念の声が出ていた。メローニ首相は声明で、政府の決定への「越権行為だ」と反発。サルビーニ副首相兼インフラ・運輸相は「工事開始に向けてあらゆる手段を講じる」とX(旧ツイッター)に投稿した。

メッシナ海峡大橋はつり橋の規模を示す主塔間の長さが約3300メートルの鉄道・道路併用橋。イタリア政府は8月に計画を承認し、費用は約135億ユーロ(約2兆4千億円)で2032〜33年ごろの完成を目指すとしていた。

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