29日、ニューヨークの国連本部で記者会見するIAEAのグロッシ事務局長=国連提供・共同

【ニューヨーク=共同】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(アルゼンチン)は29日、2026年12月末に任期満了を迎えるグテレス事務総長(ポルトガル)の後任を決める次期国連事務総長選に立候補すると明らかにした。IAEAの枠組みの下での、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に対する検証作業などを実績に挙げ、アピールした。

グロッシ氏は国連本部で記者会見し、ロシアが侵攻したウクライナで原発の安全確保に努めたことも強調。国連事務総長として国際社会の平和と安全に「貢献できる」と意気込みを語った。

選出作業は今年12月ごろから始まり、来年夏から秋ごろに安全保障理事会(15カ国)が1人の候補者に絞る。総会(193カ国)での正式選出を得て、次期事務総長は27年1月1日に就任する予定だ。任期は5年。

国連は1945年の創設以来、歴代事務総長は男性が務めており、初の女性トップ就任を期待する声も高まっている。外交筋によると、国連人権高等弁務官を務めたバチェレ氏(チリ)や、国連貿易開発会議(UNCTAD)のグリンスパン事務局長(コスタリカ)ら女性も立候補するとみられている。

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