
【NQNニューヨーク=矢内純一】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は下落して始まった後、上昇に転じている。午前9時50分現在は前日比182ドル26セント高の4万7814ドル26セントで推移している。300ドル超上昇する場面もある。米中関係の改善への期待が相場を支えている。半面、ハイテク株の下落は投資家心理の重荷となっている。
トランプ米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)は30日、韓国で会談した。中国が合成麻薬フェンタニル対策を講じるかわりに、米国は対中関税を10%引き下げる。また、中国はレアアース(希土類)の新たな輸出規制の導入を1年延期する。両国が緊張の緩和に動き、市場の懸念が後退している。
29日には米連邦準備理事会(FRB)が2会合連続で0.25%の利下げを決めた。パウエル議長は記者会見で、12月の利下げ観測をけん制した。29日の米株式市場では幅広い銘柄に売りが出たが、30日朝の取引では景気敏感株や消費関連の一角を買い直す動きがあり、株式相場を支えている。
個別ではマイクロソフトが下落している。29日に発表した2025年7〜9月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったものの、26年6月期通期の設備投資が前期を上回るとの見通しが重荷となっている。クラウド基盤「アジュール」の10〜12月期の売上高見通しが市場の高い期待に届かなかったとの見方もある。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズは一時13%あまり下げた。前日に四半期決算の発表とあわせ、25年12月期通期の設備投資計画を引き上げ、投資負担への懸念を誘っている。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズやビザ、ハネウェル・インターナショナルが上昇している。一方、アマゾン・ドット・コムやボーイング、エヌビディアが下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落して始まった。テスラや半導体のブロードコムが下落している。一方、アルファベットが上昇している。前日に発表した25年7〜9月期決算で売上高などが市場予想を上回り、好感した買いが入っている。
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