29日に投票、即日開票されたオランダ下院(定数150)の総選挙で、国営通信社は31日、中道左派「民主66(D66)」が第1党になる見通しだと発表した。開票率は99・7%だが、自治体が集計した残票の状況から、競っている極右政党「自由党(PVV)」が第1党の座を維持することは不可能だと判断したという。

 両党は暫定的な開票結果では、26議席ずつで並んでいた。同通信社によると、開票所で火災が発生した自治体のほか、外国に住む有権者による在外投票の開票がまだ残っている。現時点では、民主66が約1万5千票の得票差でリードしており、残票次第では27議席に増える可能性があるという。

 民主66は、改選前の9議席から約3倍増となる躍進をとげた。発表を受け、同党のイェッテン党首は「これから、すべてのオランダ人のために尽力していく」とコメントした。

 2年前の前回選挙で初の第1党になった自由党は、イスラム移民の排斥など極端な外国人政策を打ち出したことで政権内で対立。わずか11カ月で政権から離脱した。選挙前から主要政党が自由党との連立を拒否しており、仮に第1党になっても政権入りは低いと有権者が判断し、37議席から大幅に減らす結果となった。

 オランダ下院では今回、15党が議席を獲得し、小政党が乱立。民主66は今後、少なくとも4党による連立政権の樹立を模索していくことになる。もしイェッテン氏が首相に就任すれば、38歳で史上最年少の首相となる。

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