ジャレッド・アイザックマン氏=ロイター

【ヒューストン=大平祐嗣】トランプ米大統領は4日、米航空宇宙局(NASA)長官に大富豪のジャレッド・アイザックマン氏を再指名すると表明した。同氏は米宇宙開発のスペースXを率いるイーロン・マスク氏の友人とされる。過去にトランプ氏から指名を受け、マスク氏が米政権を去った5月末に人事が撤回されていた。

トランプ氏は自身のSNSで「アイザックマン氏をNASA長官に指名することをうれしく思う。NASAを新時代に導く理想的な人物だ」とコメントした。アイザックマン氏はX(旧ツイッター)にトランプ氏への謝意を記した。

アイザックマン氏は決済処理サービスの会社を立ち上げた起業家で、スペースXのロケットで2度宇宙に行ったことがある。マスク氏とは友人関係とされ、トランプ氏の大統領就任前の2024年12月にもNASAの長官に指名されていた。

今年5月31日にトランプ氏は詳細を明らかにしないまま「徹底的に検討した結果、指名を撤回する」としていた。5月30日にマスク氏が政権を去った直後だった。

マスク氏は4日、Xでトランプ氏のSNSの投稿を引用し、ハートマークの絵文字をつけて応じた。

NASAのトップは暫定長官としてダフィー運輸長官が務めていた。ダフィー氏は10月下旬にスペースXの月面着陸船の開発が「遅れている」と指摘し、別の企業の宇宙船も候補に入れると発言した。マスク氏はこれに対して「知識のないNASA長官は米国の宇宙計画を損なう」などとXに投稿し反発していた。

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