
【イスラマバード=共同】パキスタンとアフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は6〜7日、国境地帯の武力衝突の停戦維持に向けた協議をトルコで開いたが、合意に至らず終了した。双方が8日までに明らかにした。次回協議の見通しはなく事実上の再決裂。停戦合意は有効とみられるが、いずれも攻撃されれば対抗する姿勢で今後の情勢が懸念される。
双方の協議は3回目。前回協議ではいったん決裂後、停戦継続で合意した。イスラム武装勢力の越境テロ対策を求めるパキスタンと、越境テロを否定してきたタリバン暫定政権の溝は深い。2021年8月のタリバン復権以来最悪とされるほど緊張が高まっている。

パキスタンのハワジャ国防相は7日、民放ジオテレビで「完全に行き詰まった」と表明。タリバン暫定政権に合意文書に署名する用意がなかったとした。停戦は維持するが「攻撃があれば対応する」と警告した。
暫定政権のムジャヒド報道官は8日、X(旧ツイッター)で「パキスタン代表団の無責任で非協力的な態度により結果が出なかった」と批判。国民の大半がイスラム教徒の「兄弟」として平和を望むとしつつ「攻撃には断固防衛する」とした。
6日にはアフガン南部の国境地帯で短時間の交戦があり、双方が相手の責任を主張した。
地元メディアなどによると、パキスタンが10月にアフガンを空爆し、暫定政権が報復攻撃。その後も衝突が続き、双方に死傷者が多数出たとみられる。同19日までにカタールでの協議で即時停戦に合意し、同30日にはトルコでの協議において停戦継続で一致していた。
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