
【キーウ=共同】ウクライナのインフラ施設に7日夜から8日朝にかけてロシア軍の集中攻撃があり、ウクライナのシビハ外相は8日、同国のリブネ原発、フメリニツキー原発に電力を供給する変電所が標的になったとの見方を示した。国際原子力機関(IAEA)に緊急会合の開催を要請するとした。X(旧ツイッター)に投稿した。
シビハ氏は「偶然ではなく、周到に計画された攻撃だ。ロシアは意図的に欧州の原子力の安全を危険にさらしている」と主張した。変電所に実際に被害があったかどうかは明らかにしなかった。
ゼレンスキー大統領は集中攻撃を受け声明を発表した。「弾道ミサイルへの対抗は極めて困難だ。効果的に迎撃できるのはごく少数のシステムのみだ」とし、欧米諸国に対して米国製防空システム、パトリオットの追加供与を訴えた。英紙ガーディアンが9日報じたインタビューでは、米メーカーに27基を発注したい考えも示した。
ウクライナ軍によるとロシア軍は、ミサイル45発と無人機約460機で東部や首都キーウなどを攻撃。ウクライナ軍は大半の無人機を撃ち落としたが、ミサイルの撃墜は一部にとどまった。インフラ施設が損傷したほか、アパートが被弾するなどして全土で少なくとも7人が死亡した。
ウクライナでは冬の到来を前に、ガスや電気の供給に懸念が高まっている。ゼレンスキー氏は8日の声明で「攻撃の標的は都市やエネルギー施設、国民だ」とロシアを非難。対ロ制裁の強化を呼びかけた。
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