トランプ米政権の中東政策に影響力を持つクシュナー氏(10月21日)=ロイター

【カイロ=時事】トランプ米大統領の娘婿で、政権の中東政策に大きな影響力を持つクシュナー氏が9日、イスラエル入りした。ロイター通信が関係筋の話として報じた。クシュナー氏は10日にネタニヤフ首相と会談し、パレスチナ自治区ガザで先月発効したイスラム組織ハマスとの停戦合意を守るよう働き掛けるとみられる。

クシュナー氏は、停戦交渉の土台となった20項目の和平案起草に関わったとされる。イスラエルメディアによると、ウィトコフ中東担当特使も同行する予定。和平計画について、現在の「第1段階」から「第2段階」への移行に向けて議論する見通しだ。

「第2段階」では、イスラエル軍から段階的にガザの治安維持権限を引き継ぐ「国際安定化部隊」の創設が含まれるとされ、トルコやインドネシアなどが派遣に意欲を示している。ただ、イスラエルは同国に批判的なトルコの関与に否定的。「トルコ軍が展開する余地はない」(政府報道官)と主張しており、部隊創設には曲折も予想される。

この問題に関し、バンス米副大統領は先月、トルコが部隊創設で「建設的役割」を果たせると表明した。一方で、イスラエルに強制することはできないとも指摘した。

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