タイのタクシン元首相は、国外逃亡中だった2015年に韓国でインタビューを受けた際、その前年に起きた軍のクーデターに関して発言した内容が、王室への中傷を禁じる不敬罪にあたるなどとして起訴されていました。
この裁判で、バンコクにある刑事裁判所は22日、タクシン氏の発言について、「明確に国王に言及しておらず、不敬罪にはあたらない」などとして、無罪を言い渡しました。
タクシン氏は、2006年の軍事クーデターで政権を追われたあと、国外で事実上の亡命生活を送っていましたが、おととし、15年ぶりにタイに帰国しました。
去年8月には、次女のペートンタン氏が首相に就任し、タクシン氏も政治的な影響力を強めていましたが、ぺートンタン首相は、隣国カンボジアとの国境問題への対応をめぐって、ことし7月に、憲法裁判所から職務の一時停止を命じられるなど、タイの政治は混乱が続いています。
タクシン氏をめぐっては、帰国後に汚職の罪などで有罪判決を受けたにもかかわらず、体調不良を理由に、服役中に、刑務所ではなく病院で生活していたことも国内で問題視されていて、9月には、この問題をめぐる裁判の判決も出る予定です。
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