
【ニューヨーク=伴百江】13日の米株式相場は急落した。テクノロジー株主導で売りが広がり、テック銘柄の組み入れの大きいナスダック総合株価指数は前日比2%の大幅安となった。ダウ工業株30種平均は4万7456ドルと同797ドル安の急落となった。これまで急激に上昇してきたテック株の割高感に加えて、12月の追加利下げ期待が後退したことが響いた。

相場の下げを先導したのがテスラ(前日比7%安)、パランティア・テクノロジーズ(同7%安)、インテル(同5%安)、エヌビディア(前日比4%安)など大手テック銘柄だ。エヌビディアは一時5%安となる場面もあった。テック株のバリュエーションの高さを懸念する投資家が利益確定売りに動いた。
業種別騰落率はテクノロジーが前日比2%安、日用品が同2%安、情報通信が同1%の大幅下落となった。
相場の下落の一因は米連邦準備理事会(FRB)による12月の追加利下げ観測が後退したことだ。
政府閉鎖解除が決まり、「市場の関心は景気の先行きに向かった」(米株式ストラテジスト)。金融政策当局者のコメントが注目される中、クリーブランド連銀総裁は13日の講演で「労働市場には若干の軟化が見られるものの、インフレ率は約3%で依然としてFRBの目標である2%を上回っている」と指摘。「引き締め的な姿勢を維持する必要がある」と語った。
前日にはボストン連銀総裁も追加利下げに慎重な姿勢を見せていた。

金利先物の動きから政策金利の先行きを予想する「フェドウォッチ」によると、12月にフェデラルファンド(FF)金利の誘導水準を0.25%引き下げる確率は現在、51.6%と1カ月前の95.5%から大きく低下した。
ナスダック総合が最高値をつけた10月下旬までは12月の利下げがほぼ織り込まれていただけに、割高感が指摘されるテック株の売りにつながったようだ。
ダウ平均は前日に政府機関の閉鎖解除への期待感から初めて4万8000ドル台の大台に乗せていた。高値警戒感から利益確定や持ち高調整の売りが出やすい状況にもなっていた。
政府閉鎖が解除されて、今後は経済指標の発表が再開する。市場では指標が示す景況をみながら相場の先行きを探る展開になりそうだ。
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