【ニューヨーク=吉田圭織】18日の米株式相場は4日続落し、前日比498ドル(1%)安の4万6091ドルで取引を終えた。人工知能(AI)への過剰投資に対する懸念が根強く、テック株を中心に下落が続いた。4日間で計2163ドル安と、トランプ米大統領による相互関税や米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長解任への懸念が市場に広がっていた4月21日以来の下落幅となった。

主要株ではアマゾン・ドット・コムが前日比4.4%安、エヌビディアが2.8%安、マイクロソフトが2.7%安などテック関連株の下げが目立った。この日に発表した決算が市場予想を下回ったホーム・デポは6.0%安だった。

S&P500種株価指数も4日続落した。S&P500種の業種別指数では12日終値比で「一般消費財」(6.5%安)が最も下げたほか、テックが主体の「テクノロジー」(4.7%安)が続いた。

18日は金融やテック業界からAI投資をめぐる過熱感に懸念を示す声が相次いだ。米銀最大手JPモルガン・チェースのダニエル・ピント副会長は「AI企業のバリュエーション(投資尺度)が修正に入っている可能性がある」と指摘した。

アルファベットのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)も英公共放送BBCとのインタビューで「AIブームには非合理な部分もある」と述べた。

投資家の懸念が高まっていることも改めて示された。米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BofA)が18日付で公表した11月の機関投資家調査によると「企業が過剰投資している」と答えた割合が20年ぶりの高水準となった。

さらに「マグニフィセント7(M7)」と呼ばれる巨大ハイテク7社の買い持ちは「最も混み合っているトレードだ」と回答する投資家が5割超、「AI株のバブル」をテールリスクに挙げる投資家の割合は45%に上った。ともに10月の調査の割合を上回った。

とはいえ、前日に比べるとダウの下落幅は縮小している。株価上昇の勢いがなくなったとみなされる「調整相場」入りにもまだ距離がある。調整相場は直近高値から10%以上下落した状態を指す。ダウ平均は11月の最高値から4%安、ハイテク株が中心のナスダック総合株価指数も6%安にとどまる。

19日にはエヌビディアの決算発表を控えているほか、20日には10月3日から遅れていた9月の米雇用統計が発表される見通しだ。これらの内容によって相場の方向性が左右されそうだ。

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