
【NQNニューヨーク=矢内純一】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比585ドル38セント高の4万6724ドル15セントで推移している。前日夕に発表した四半期決算が好調だったエヌビディアが上昇し、投資家心理が改善している。ダウ平均の上げ幅は一時600ドルを超えた。
エヌビディアは5%あまり上昇する場面があった。19日に発表した2025年8〜10月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回った。人工知能(AI)向け半導体の需要が強く、25年11月〜26年1月期の収益見通しも市場予想以上だった。
市場ではAIへの投資が過大に膨らんでいるとの懸念があり、11月に入ってから株式相場が下がる一因となっていた。エヌビディアが好決算を発表したことで、ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買い直す動きが広がっている。
20日朝発表の9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月に比べ11万9000人増え、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(5万人増)を上回った。一方、失業率は4.4%と市場予想(4.3%)より高くなった。2021年10月以来の高水準となった。
市場では米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方がやや後退した。20日の米債券市場では雇用統計の発表後に長期金利が低下(債券価格は上昇)し、株式相場の支えとなっている面がある。
そのほかの個別銘柄ではウォルマートの上昇が目立つ。20日朝に発表した25年8〜10月期決算で売上高などが市場予想を上回った。26年1月期通期の収益見通しも上方修正し、買いが優勢となっている。
ゴールドマン・サックスやIBM、キャタピラーが上昇している。アマゾン・ドット・コムやアップルにも買いが入っている。半面、アムジェンやコカ・コーラが下落している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まり、上昇率は2%を超えている。ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株が高い。アルファベットとテスラも上昇している。
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