ニューヨーク証券取引所

【NQNニューヨーク=戸部実華】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前週末比153ドル62セント高の4万6399ドル03セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測が引き続き相場を支えている。半面、日用品などディフェンシブ株の下げが重荷となっている。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の前週末の講演を受け、市場ではFRBが12月9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げに動く可能性が高いと受け止めた。米短期金利先物市場で12月に0.25%利下げすると予想する確率は前週末の7割ほどから24日朝には7割台後半に上昇している。

前週にかけてハイテク株を中心に売りが広がり、ダウ平均は前週末までに12日に付けた最高値(4万8254ドル)から2000ドルほど下落した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は週間で2.7%安となり3週連続で下げていた。急速に売りが膨らんだ後で、戻りを期待した買いも相場の上昇を支えている。

もっとも、ダウ平均は買い一巡後は伸び悩み、下げに転じる場面がある。24日はディフェンシブ株や景気敏感株には売りが優勢となっている。今週は経済指標の発表が相次ぐ予定で、25日には9月の米小売売上高や卸売物価指数(PPI)などの公表を控え、内容を確認したい雰囲気もある。

ウォラーFRB理事は24日の米FOXビジネスで12月の利下げを支持する姿勢を示した一方、これまで発表が一時停止していた経済指標が政府閉鎖の解除に伴って相次ぎ公表されるのを見極める必要があるとして「1月(に開催する会合の政策判断)は難しい」との見方を示した。

ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアップル、IBMが買われている。半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やホーム・デポ、ウォルト・ディズニーは下げている。人工知能(AI)投資の過熱感への懸念があるなか、エヌビディアとマイクロソフトはもみ合っている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸して始まった。前週末比1.8%ほど上昇する場面がある。ブロードコムやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が大幅に上昇している。

アルファベットへの買いが目立つ。傘下のグーグルが最新のAI基盤モデル「Gemini(ジェミニ)3」を前週発表したことが評価され、買いが入っている。テスラも高い。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がX(旧ツイッター)でAI半導体の開発について言及し、好感された。

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