日韓両政府が発表した共同文書では、両首脳は相互に訪問し合う「シャトル外交」が早期に再開されたことを評価し、国際社会のさまざまな課題に対し、両国が共に協力していくことを確認したとしています。
そして、ことし日韓国交正常化から60年を迎えたことを踏まえ、1965年の国交正常化以来これまで築かれてきた基盤に基づき、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくことで一致したとしています。
一方、歴史認識について、石破総理大臣は歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると明記しています。
北朝鮮については、ロシアとの軍事協力の強化に共に対処するとともに、核・ミサイル問題に対し国際社会と協力していくことや、拉致問題の解決に向けて取り組んでいくことを確認したとしています。
国際情勢が急変する中、揺るぎない日韓両国の関係に加え、アメリカを含む日米韓3か国で協力を推進していくことを申し合わせたとしています。
経済では、近年の新しい通商秩序のもと意思疎通を強化し、水素、AIなどの産業分野で協力を拡大していくことを確認したとしています。
さらに人的交流の拡大ではワーキングホリデーのビザを2回まで取得できるように拡充することで合意し、相互理解を促進する環境を醸成していくとしています。
一方、少子高齢化や人口減少、地方創生、首都一極集中、農業、防災など、共通する社会問題の解決策を共に見いだしていくため、新たな協議体を立ち上げることでも一致したとしています。
そして、両首脳はことし10月に韓国のキョンジュ(慶州)で開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議や、日本で開かれる日中韓3か国の首脳会議の成功に向け、協力していくことを確認したとしています。
外務省によりますと日韓首脳会談の成果を共同文書で発表するのは17年ぶりだということです。
石破首相 地元の地ビールなどでもてなす
外務省によりますと、石破総理大臣は総理大臣公邸で夫人も交えて開いた夕食会で、季節の食材を使った日本料理でイ・ジェミョン大統領をもてなしたということです。
また、石破総理大臣の地元、鳥取県の地ビールやイ大統領の地元の鶏肉などの煮込み料理「チムタク」も提供され、それぞれの郷土の話題に花が咲いたということです。
また、夕食会のあとには両首脳夫妻と通訳だけを交えた懇談も行われ、外務省関係者は「イ大統領には非常に喜んでもらった。打ちとけた温かい会談だった」と話しています。
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